赤羽くんはそう言いながら、何故か私の隣にどさりと腰を下ろした。
『…???』
勝手に本の中身を見たから怒って“さっさと部屋に戻”れとか言われるのかと思っていたので、この赤羽くんの行動には疑問が湧く。
そもそもこの人私のこと嫌いなんじゃなかった?
「“White Lilly”、知らないの?」
『えっと…うん、ホワイトリリーって何?』
至って普通に話しかけてくるので、普通に返答してしまった。
赤羽くんはさっき私から奪ったその本を机に置いて1ページ目を開く。
「White Lillyは、生徒会のもう一つの顔」
もう一つの顔…?
『……総長って書いてあったけど、不良なの?』
「ま、ちょっと違うけど…大体そんなとこ」
総長という文字と組織に名前がついているってことから何となく聞いてみたけど、こういうのって今時あるんだ…。
「でも、普通の人が想像するようなものとは違う」
赤羽くんが言うには、White Lillyという組織に関しては学校側も黙認しているらしく、むしろ学園内の治安維持につながっているらしい。
悪さをする人には容赦なく罰を与えるWhite Lilly。それを恐れて、学園内で何か問題を起こそうとするものは現れなくなったんだとか。
「元々この組織は……」
そう言いかけて赤羽くんは言葉を止めて、開いた本をバタっと閉じた。
……。
…え?
組織は、…何?
『…終わり?』
「いや、全部教える必要ないし」
そこまで話しておいて…!?

