『…っ!』
ハッと目を覚ますと、視界に飛び込んできたのは見知らぬ天井。
私はオレンジ色のソファーに寝かせられていて、目の前には磨かれたガラス張りのローテーブル、壁際には大型テレビ。奥には重厚なカーテンと、屋根付きの豪華なベッド。
…まるで高級ホテルの一室みたいな空間。無機質な冷たさよりも、金と権力の匂いをまとった場所。
ここは一体…?
「“ここは何処?”っていう顔してるな」
『っ誰?!』
不意に横から声がして心臓が大きく跳ねる。
反射的に振り返ると、銀色のメッシュを入れた髪の男が気怠そうにソファの肘掛けに腰掛けていた。
…この人、教室にBSが押しかけてきた時いた、先頭で私に話しかけてきた男だ
「んな警戒しなくても、あんたに手出したりしねーよ」
軽く笑ってそう告げる声に、妙な余裕が滲んでいる。
信用なんてできないけど…でも、たしかに今の彼からは敵意が感じられなかった。
「俺は蓮水永季。BLACK SKYの副総長」
『…!』
今までの状況から察するに、ここはBSのアジトか何かなんだろう
と言うことは、やっぱり天音くんは…
「つーかあんた何者なんだ?純混血なのは聞いてるけど…朔がここまで執着するなんて」
『朔は…幼馴染。でも、随分変わっちゃったみたいだけど…』
「幼馴染…」

