総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ









翌朝、いつもより早く目が覚めた。

二度寝する気分でもなかったのでコーヒーでも飲もうかとキッチンに行くと、今一番会いたくない男と鉢合わせた。


「…お前…」


天音、
俺の彼女にキスした男。

生徒会メンバーじゃなかったら即殴ってる。


「おはよー叶兎。早いね」


…こいつ、何事もなかったかのような顔してやがる

その無神経さに、苛立ちが込み上げる。


「あ、叶兎もコーヒー飲む?……っ!?おい。いきなりなんだよ」


俺は天音の背にある壁を右足でドンっと蹴り付け、
通り道を塞いで言い逃れできない状況にした。


「お前、何で胡桃にキスした」


俺がそう問いかけると、天音は目を細めて

一瞬、俺が見たことのないような表情をしていた気がする

でもそれは一瞬だけで、すぐにいつものふざけるような笑顔に戻る。


「へーぇ…胡桃ちゃん叶兎に話したんだ」

「質問に答えろ」

「好きになっちゃったんだよね〜、あの子のこと」

「………それ本気で言ってんの?」