総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



『…っ、』


キスを重ねるうちに、体の力がだんだん抜けていく。

唇から伝わる熱と重さに抗えず、そのまま後ろのベッドへ倒れ込んだ。


『んっ…、ちょ、そろそろ息が…』


いつも長いキスだけど、今はさらに深くて長い。

酸素が足りなくなって胸が苦しくなる。

やっと口が離れたかと思えば、「はーっ…はー…」と息を整えるしかなかった。


「…上書き。こんなんじゃ足りない」



低く囁く声がやけに熱っぽくて、心臓の鼓動が跳ね上がる。

けれど、また唇を重ねてきて、息を吸う隙を与えながらも離れてはくれない。

その手はしれっとパーカーのチャックを下げようとして来て…


『ちょ、待って?!』


慌てて両手を出したけど、あっという間に頭上で押さえ込まれる。
叶兎くんの力は強くて全然振りほどけない。

血、血を吸おうとしてるだけだよね…?!

でも今下にシャツ着てないからチャック全部下ろさないで…!!

一気に顔が熱くなる。


そんな私の抵抗なんて気にも留めず、叶兎くんは首元に唇を寄せて牙を立てた。


チクリとした痛みに続いて、体の奥まで吸い取られるような感覚。


…けど、長い。いつもよりずっと。


そう思った時、何かがおかしいと思った。


『痛っ…!、叶…兎くん…?…ちょ、痛いってば!』


牙が深く食い込んで鋭い痛みが走った。

「血を吸われてる」感覚を超えて、
「噛み付かれている」感覚。