『…っ、』
キスを重ねるうちに、体の力がだんだん抜けていく。
唇から伝わる熱と重さに抗えず、そのまま後ろのベッドへ倒れ込んだ。
『んっ…、ちょ、そろそろ息が…』
いつも長いキスだけど、今はさらに深くて長い。
酸素が足りなくなって胸が苦しくなる。
やっと口が離れたかと思えば、「はーっ…はー…」と息を整えるしかなかった。
「…上書き。こんなんじゃ足りない」
低く囁く声がやけに熱っぽくて、心臓の鼓動が跳ね上がる。
けれど、また唇を重ねてきて、息を吸う隙を与えながらも離れてはくれない。
その手はしれっとパーカーのチャックを下げようとして来て…
『ちょ、待って?!』
慌てて両手を出したけど、あっという間に頭上で押さえ込まれる。
叶兎くんの力は強くて全然振りほどけない。
血、血を吸おうとしてるだけだよね…?!
でも今下にシャツ着てないからチャック全部下ろさないで…!!
一気に顔が熱くなる。
そんな私の抵抗なんて気にも留めず、叶兎くんは首元に唇を寄せて牙を立てた。
チクリとした痛みに続いて、体の奥まで吸い取られるような感覚。
…けど、長い。いつもよりずっと。
そう思った時、何かがおかしいと思った。
『痛っ…!、叶…兎くん…?…ちょ、痛いってば!』
牙が深く食い込んで鋭い痛みが走った。
「血を吸われてる」感覚を超えて、
「噛み付かれている」感覚。

