「っ、叶兎？！」
『えっ！？』
後ろに立っていたのは叶兎くんだったようで、九条くんは慌てて起き上がる。
状況を理解した私もすぐに体を起こし、慌てて叶兎くんの方を見た。
やばい、完全に誤解されてる。
こんな時間にソファーであんな体勢を見たら、誰だってそう思う。
「お前、胡桃に何しようとしてた？」
完全に誤解している叶兎くんは足早に九条くんの前に立ち、
朔の時よりはだいぶ優しい掴み方で軽く胸ぐらを掴んだ
「待て、誤解だ！」
「随分厳しい言い訳だね」
叶兎くん、口は笑ってるけど目が笑ってない。
これはガチギレモードに入ってるので何としても誤解を解かないと…
『叶兎くん…！あの、その、九条くんは悪くないの！』
「……じゃあなに、合意の上？」
『いや、そうじゃなくて…！！』
どうしてさっきあんな体勢でいたのか説明しようにも、言葉が詰まってしまって、これじゃ完全に誤解されてる内容を認めたみたいになってしまう。
でも、どうやって説明すればいいのか分からないし、一から話すとなると天音くんにキスされたことまで言わなきゃいけない。
そんなこと話したら、叶兎くん、絶対部屋に突撃しに行きそう。
