「アイツが直接お前に何かする事はないと思ってたけど、…さっきキスされたって、あれホントなのか?」

『あ…うん』


私が叶兎くんと付き合ってる事は天音くん知ってるはずなのに、一体何がしたかったんだろう。


「はぁ…悪いのは勿論天音だけどお前もお前で警戒心なさすぎ」

『はい…』

「せっかく俺がこの前忠告してやったのに」


九条くんが言ってる事は正しい。

前に忠告してくれてたのに気にしてなかったし、
今までも全く警戒心を持っていなかった。

もし九条くんが言ってるように天音くんが“敵”なら尚更警戒するべきだろう。


「アイツといる時だけじゃない、この前のBSの総長とあった時のこともそうだけど…お前は普段から警戒心が足りなすぎる。ただでさえ狙われてる立場なんだから日頃から警戒心を持て。分かったか?」

『う、うん。分かった、気をつける』


九条くんって私より一つ年下だったよね?

それなのに、しっかりしすぎていて、頼もしさすら感じる。
料理もできるし、仕事も早い。


「分かってない」

『へ…?』


いきなり両肩を押され、さっきまで座っていたソファーに仰向けに押し倒された。

視線の先には、九条くんの顔。