私の隣は流風くんが歩いてるけどその後ろをぞろぞろとWhiteLillyの人達がついてきていて……分かってはいたけど、校舎の中に入ると目立ちすぎて本当にヤバい。
どこを見渡しても、生徒たちの痛いくらいの視線が突き刺さってくる。
「……ねえあの集団何?怖…」
「てかあの先頭にいるの会長の彼女じゃね…?」
「え?じゃああれWhiteLillyの人達って事?」
お、落ち着かない…!!
冷や汗が止まらなくて気が気じゃない私をよそに、当の本人たちは周りのざわめきなんてまったく気にしていない様子で、「うわ、このクラスの出店すげー」なんてワイワイと楽しそうに喋っている。
……やっぱりみんな、こういう注目の浴び方に慣れっこなのかな。
そんなこんなで、最初は恥ずかしさで固まっていたけど、流風くんの「片っ端から制覇するぞー!」という宣言通り、本当に片っ端から色んなクラスの企画を回った。
スリル満点の脱出ゲームに頭を使う謎解き、白熱したミニゲームにダーツ、映えるフォトスポットでの写真撮影……。
まさに「これぞ文化祭!」という賑やかさと熱気。
気がつけば私も嫌なことを忘れて、いつの間にか純粋に楽しんでいる自分がいた。
「じゃ、次はここね!」
そう言って流風くんが足を止めたのは──。
『ま、まって。これお化け屋敷だよね?』
校舎の1番角にあるお化け屋敷の教室の前。
長蛇の列ができていて、入口の外装からして不気味な血の手形やらお札やらがペタペタ貼られていて……見た目からして相当ヤバそう。
というか、このクラスクオリティ高すぎない!?
私がおののいていると、受付カウンターに座っていた天音くんが私たちに気づいて、ぱあっと笑顔になって駆け寄ってきた。
「あっ、胡桃っち!」
「おー天音じゃん」
「あれ、流風も来てたんだ!」
そういえば天音くん、自分のクラスはお化け屋敷をやるって言ってたっけ。
相変わらず女子生徒たちにキャーキャー囲まれていたみたいだけど……。


