【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



………ん??

ていうか、私と叶兎くんが付き合ってることみんな知ってる感じなの?


流風くんも、集団のみんなも、なんだか当たり前みたいな顔で私と叶兎くんを見ている。



「ごめん、これから生徒会の仕事でさ」

「そっか…生徒会長だもんね」



しかも、妹ちゃんに今一瞬、思いっきり睨まれた気がするんだけど。

え、気のせい…?

“私のお兄ちゃん取らないで”的なやつ…?



「じゃ胡桃ちゃん借りて良い?」

「は?良くないけど」

「胡桃ちゃん、この後空いてる?」

「俺の話を聞け」



流風くんと叶兎くんのやり取りは、相変わらず全然噛み合っていない。

私が「えっと……」と答える隙すら与えられないまま、テンポよく会話が進んでいってしまう。



「いいじゃん、俺らといるなら叶兎も安心だろ?」

「……それは…そうかも」



流風くんに痛いところを突かれた叶兎くんが、ぐっと言葉を詰まらせる。



「どう?文化祭一緒に回らない?」

『私は全然構わないけど…』



叶兎くんも反対してないみたいだし、私としても流風くん達がいてくれるなら少し安心かも。

まだ朔が学園内にいてもおかしくないし。



「何かあったら絶対連絡して」



心配そうに私の顔を覗き込んでくる叶兎くんに、私はしっかり頷いた。



『わかった』

「あと、明日は2人で文化祭回ろ」

『う、うん!』



不意打ちの誘いに、思わず声が裏返った。


一緒に回りたかったけど、生徒会の仕事でずっと忙しそうだったから…迷惑かなと思って遠慮していた。

だから、叶兎くんの方からそう言ってくれて、純粋に跳び上がりたいくらい嬉しい。