『えっ、?!朔が……??』
私の知ってる朔は、いつも優しくて、寄り添ってくれて…。
暴力なんて、一番朔から遠い言葉だと思っていた。
でも、私を見つめる叶兎くんの表情は決して冗談を言っているものではなかった。
信じたくない。けれど、信じざるを得なかった。
さっき感じたあの“別人みたいな冷たさ”が、きっとすべての答えだ。
「俺も最初は信じられなかった…けどその日からBSの悪い噂をしょっちゅう聞くようになって、収集がつかなくなる程荒れていった。」
そう語る叶兎くんは、怒っているというよりはどこか悲しそうで、寂しそうな表情を浮かべて俯いた。
「でも、元々BLACK SKYとWhite Lillyは……この街の治安を保つために作られた組織なんだ」
『この街の、治安…』
私はそこで、寮に来た初日の夜を思い出した。
ロビーで名簿を見ていた時に叶兎くんが言いかけていた言葉。
“元々この組織は…”
あの時言いかけていたのはこの事だったのかもしれない。
「数年前まで、この街の周辺は不良で溢れかえっててさ。暴走族もたくさんあってかなりの無法地帯だったんだよ。俺たちはその荒れ果てた組織を一つずつ潰していって……最近になってようやく治安が良くなってきてたんだ」


