総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



「悪い、ちょっとがっつき過ぎた。」


口元を拭いながら謝る声もどこか余裕がなく聞こえる。

普段から強引だけど、今日はいつも以上に強引だ。


「こっち向いて」


言われるまま向くと、額がコツンと触れた。

至近距離で見上げる叶兎くんは、メイクのせいか少し大人びて見えて…至近距離で見つめられるとつい目を逸らしてしまう。


「ね、胡桃からキスしてよ」

『え、?!』

「そういえば胡桃からされた事ないなって思って」


た、確かに自分からキスしたことはないけど…

したことないからこそ、してって言われると余計に恥ずかしい


「ん」

『え、私まだやるって言ってな…』

「…」


叶兎くんは黙ったまま目を閉じた。私に拒否権はないらしい。

イケメンのキス待ち顔の破壊力、ほんと反則。


整った鼻筋に長い睫毛、

改めてこう見ると人形みたいに綺麗な顔立ちをしている。