総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ


【side胡桃】


生徒会寮に戻った途端、ソファに押し倒されて。
そのまま腕の傷を舐められた時点で、私のキャパはとっくにオーバーしていた。

本当は朔のことを聞かなきゃいけないのに、それどころじゃない。

太股に沿って指が滑って、そのすぐあと。
そこに叶兎くんの唇が触れた。


『あっ…、!…』


柔らかい感触のあと、かすかにチクリと牙の痛み。
そこからじわじわと血が吸い上げられていくのが分かる。

いつもより優しい吸い方だけど、だからこそ余計に意識してしまう。

絵面的にも体勢的にも、これ…まずすぎるって…!


いつも以上に心臓がドキドキして

もう、どうにかなりそう。


場所が変わっても、叶兎くんに吸われるのは全然痛くない。

いつもは首元から感じる熱が足元から入ってきて

全身が熱い。


「甘…」

『も…もう十分でしょ!飲み過ぎ…っ!』


心臓が壊れそうで、思わずガバッと上体を起こして叶兎くんの肩を掴んだ。