『さ、く…?』

「嬉しい、覚えててくれたんだ」

『え…ホントに朔なの…?』


私には昔、幼馴染がいた。
その人の名前は、天羽 朔(あまはね さく)、田舎に住んでいた私の唯一仲の良い友達だった。

あれは、小学生3年生になったばかりの頃、
朔が、突然姿を消した。
電話もメールも繋がらなくて家に行ってみたら、もうそこに天羽家はなくて…


『朔、…何であの時何も言わずにいなくなったの?』

「…それは、ごめん。僕もあまりにも突然のことで、伝えるタイミングがなかったんだ」


…この人本当に朔なのかな、

昔の朔は明るい茶髪だったけど、今目の前にいる朔は昔じゃ考えられない金髪の青年だ。

でも、朔の特徴的な瞳を見間違えるはずがない。
向日葵みたいに明るくて、トパーズみたいな綺麗な色。


「でも、やっと会えた。君の事ずっと探してたんだ。家の事情がひと段落して会いに行こうと思ったらくーちゃん引っ越してるもんだから…」


会いに…きたんだ…

確かに、朔がいなくなってから私も家の事情で一度引っ越しをした。といってもまた引越し先は田舎だったけど。

あの頃の私はまだ小さかったし、
朔は私の事なんかどうでも良くなったのかと思ってた。


「ねぇ、僕と一緒に来てよ」