【完】総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅰ



「やっと気づいたの?」

「……!」

「長い事会ってなかったとはいえこの程度も見破れないなんて、案外チョロいんだね君」



朔は自分の頭に手をやると、くしゃりと乱暴に髪を撫で回した。

すると、金髪だったはずの髪がずるりと剥がれ落ち、その下から見慣れた茶髪が現れる。


見間違えるはずがない。

そこに立っていたのは、間違いなく私の幼馴染である“天羽 朔”本人だった。



「……お前、何でこんなふうになったんだよ。昔のBSは今ほど荒れてなかっただろ」

「別に理由なんてないよ?ただ、強くなりたい。それだけ」



朔と叶兎くんは…知り合い…?

相手が朔と分かってから、叶兎くんは少し落ち着きを取り戻したように見える。



「お前は間違ってる」

「…黙れ」

「最近の荒れ具合おかしいだろ!何のために俺たちが──」

「黙れよ!!」



低く噛みつくような声。


怒鳴り声とともに、朔の顔から余裕の笑みが完全に消え去った。

さっきまで笑っていた朔が、感情を剥き出しにして叶兎くんを睨みつけている。