……ていうか、この場所って結局なに?
正面のソファにも二人座ってるし。
「生徒会室」ってくらいだから、生徒会役員……?
いやでも赤羽くん、あの性格で生徒会はないでしょ。
「あー、もしもし木崎さん?906号室のカードキー持った女がいるんだけど、これどういうこと?」
私があれこれ考えていると赤羽くんは不機嫌そうに携帯を取り出し、誰かと通話を始めた。
「は?聞いてないんだけど。あ、おい!」
そして慌ただしく通話が終わった。
電話相手の声が無駄に大きかったせいか、切れる前に
“じゃ、よろしく!”
なんていう陽気な声が一瞬聞こえた気がする。
「…はぁー、寮の管理人には確認取った。学校から正式に言われたらどうしようもないから受け入れるけど…」
赤羽くんの視線が私を射抜く。
「ここに住む以上、何かやらかしたらタダじゃ済まないから」
その言葉の迫力に息を呑んだ。
冗談じゃなく、本当に“ただでは済まない”気配しかしない。

