『え、どこに?』
いなくなった後の空白を埋めるように、もっとたくさん話がしたい。
そう思ったのも束の間、朔の口から飛び出した言葉に、私は耳を疑った。
「………“BLACK SKY”に。」
『……え?』
一瞬、思考がピタリと停止した。
今、なんて言った……?
BLACK SKY──それって、叶兎くんたちが「BS」って呼んで警戒している、あの危険な組織のこと……!?
なんで、朔の口からそんな名前が出てくるの……?
「くーちゃんてば何度も電話したのに全く出てくれないし」
『っ、あれ……あの着信、朔だったの……!?』
ここ最近、私のスマホに何度もかかってきていた非通知や知らない番号からの不審な着信。
気味が悪くてずっと無視し続けてたけど、まさかあれが朔からの電話だったなんて……。
正体が分かってホッとしかけたけど、これはもう、そういう問題ではない。
「みんな君を歓迎してくれるよ。勿論、僕も」
何でもないことのように、にこやかに微笑む朔。
けれどその笑顔と甘い言葉は、私の中の警鐘をより一層激しく鳴ら響かせるだけだった。
どういうこと?
BSって私のことを狙ってるとか何とか言ってなかった…?
そもそも私はWhiteLillyのみんなに守ってもらう立場で歓迎されるわけがないし、いくら目の前にいるのが朔だからって、はいそうですかと敵組織のアジトに行けるわけがない。
『朔、何か隠してる…?悪いけど、一緒に行くことは出来ないよ』


