きっと、桐葉くんが連絡してくれたのだろう。
これ以上余計な心配をかけたくなかったのに、私はまた、叶兎くんに助けられてしまった。
ホッと安心した途端一気に全身の緊張が解け、身体から完全に力が抜けて、視界が暗転していく中、記憶が途切れ途切れになっていく。
「胡桃?胡桃…!」
私の名前を必死に呼ぶ叶兎くんの声。
身体がふわりと浮き上がる感覚。
そうして気づいた時には、私は保健室のベットで眠っていた。
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『ん……。ここは…保健室…?』
目を開けると白い天井、そして保健室独特の消毒液の匂いがした。
「どう?体調は」
叶兎くん……?
声のしたベッドの横へ視線を巡らせる。
椅子に腰掛けてこちらを覗き込んでいた人物を目にして、私は思わず目を丸くした。
「あ、叶兎は生徒会の方で呼ばれてるから、俺は天音だよ」
パイプ椅子に深々と腰掛け、ひらひらと手を振っていたのは天音くんだった。
いつもの捉えどころのない、どこかからかうような軽い笑み。
相変わらず、なんだか自分の心の中をすべて透かして見られているような気分になる。
『天音くん…?ずっとここに?』
「いやーいつも通り保健室で仕事サボってたら、胡桃ちゃんの事姫抱っこした叶兎がいきなり入ってきてさ。流石にびっくりしたよ」
姫抱っこ…!?
あの体がふわっと浮く感覚、あれか。
顔が熱くなるのを必死で隠す。
「で叶兎、かなり忙しいみたいで、俺に胡桃ちゃんの事見といてって頼んでそのまま出てったってワケ」


