目的の2号棟の倉庫までやってきたけど、思っていた以上にその場所は広かった。
空気が少しひんやりして、外よりも静かで物音が吸い込まれていく。
中に入ると、視界いっぱいに積み上げられたダンボールが壁のように連なり、そこに大小さまざまなテープや画用紙、木材やペンキまで揃っていた。
文化祭に必要なものが全部ここに集まっているんだろう。
『えーっと、ダンボールとテープだっけ』
自分が持てる範囲のダンボールをいくつか重ねて抱え、足元にあるガムテープを拾おうと腰を落とした、その時だった。
……あ……れ……?
視界が、ふっと大きくグラリと揺らいだ。
急激に足から力が抜け、身体の軸が保てなくなる。
そして、
────ガサガサッ!!!
体勢を崩した拍子に、隣に積まれていたダンボールの山に激しくぶつかってしまった。
大きな音を立てて、ダンボールが崩れ落ちていく。
『…うわ、やっちゃった』
頭が重くてクラクラするし、なんだか全身がだるくて鉛のように重い。
今日の朝から少しだけ身体に違和感があって、なんだか変だなとは感じてたけど……ただの気のせいだと思い込もうとしていた。
でも、どうやら気のせいではなかったらしい。
熱でもあるのかもしれない。
「…大丈夫?」
床にしゃがみ込んでいると、横から誰かに声をかけられた。
顔を上げると、倉庫の入り口に立っていたのは飛鳥馬くんだった。
彼も生徒会の一員だけど、こうやって二人きりで話すのは初めてかもしれない。
「廊下まですごい音聞こえたけど…」
飛鳥馬くんはこちらへゆっくり歩み寄ってくると、少しだけ心配そうに目を細めた。
『えっと…大丈夫!ちょっと体勢崩しちゃっただけ!』
なんとか取り繕うように笑顔を作り、体調の悪さを悟られないように立ち上がろうとした。
けれど膝に力が入らずに再びふらりと視界が大きく歪む。
床に倒れ込む直前、飛鳥馬くんの手が素早く私の腕を掴み、身体を支えてくれた。
「大丈夫じゃないよね?体調悪いなら保健室に…」


