翌日、
今日は文化祭準備2日目。


どのクラスも着々と準備を進めていて、校内はカラフルな装飾や準備物でごった返していた。笑い声や工具の音があちこちから聞こえてきて、自然と胸が高鳴る。

うちのクラスはコスプレカフェになったけど装飾にもかなり力を入れていて、教室の半分は可愛いふわふわな空間で、もう半分はダークな空間にするらしい。



「ねー胡桃〜、赤羽くんとは最近どうなのよ!」

「わ、それ気になる〜!」


黙々と壁の装飾を取り付けていると横から心音ちゃんと瑠奈ちゃんがいきなりそんなことを聞いてきて、手に持っていた装飾品を落としそうになった。


『ど、どうって…』


今まで彼氏なんていた事ないし友達も少なかったので恋バナなんてした事がない。

自分の恋バナするとかめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
世の中の女子って、日常的にこんな話してるの…?


「んーじゃあ、普段の赤羽くんってめちゃくちゃ塩だけど、胡桃の前だとどんな感じなの?」


私の前だと…?

あんまり考えた事無かったけど、確かに普段の叶兎くんって女嫌いで塩対応だ

でも私には優しくしてくれてるし、むしろ……


「胡桃顔赤い!」
「いいねぇ青春だねぇー」


気づけば顔が赤くなっていて、二人がからかうように絡んでくる。

うぅ…恋バナって聞く方は楽しそうだけどする方めちゃくちゃ恥ずいじゃん…!!


『も、もーこの話やめようよ〜!』


恋バナ耐性がない私は必死に話題をそらそうと、壁の装飾の続きを始める。手を動かすことで、少しでも赤面をごまかそうと必死だった。