布団を綺麗に畳みなおしてから部屋を出ると、丁度ドアを開けたところで天音くんと鉢合わせた。
「あ、胡桃っちおは〜」
『お…おはよう天音くん』
私が叶兎くんの部屋から出てきたことについては何も聞かれなくてほっとしたけど、
…絶対また誤解されてる気がする…!!
「ね、今暇?」
天音くんはそう言って無邪気に笑って、私の顔を覗き込んでくる。
相変わらず、何を考えているのか全くわからない。
『暇…ではあるけど、どうして?』
朝もまだ早いから学校まではまだかなり時間があるので、暇といえば暇ではあるけど…
“ちょっと付き合ってよ、話し相手”
よく分からないけど、天音くんに話相手になって欲しいと言われてベランダに連れてこられた。
寮の中にベランダあったなんて知らなかったけどここもまた広くて椅子と机まで置いてあるし、この学園の寮はどこまでも豪華だ…。
『ちょっと待って。天音くんそれ…』
隣にいた天音くんがベランダの手すりに寄りかかりながらいきなりライターを取り出して、いわゆるたばこに火をつけようとしていたので思わず天音くんの腕を掴んだ。
「あ、煙は出ないやつだから大丈夫だよ」
さも当然かのように言うから、一瞬納得しそうになった。
そういう問題じゃなくてそこも大事ではあるんだけど違くて
生徒会がバリバリに不良行為してて大丈夫なのか…
いや、大丈夫ではないな。

