“俺の彼女なんだから”


その一言で、胸の奥がギュッと締め付けられる。

こんなすごい人がどうして私なんかを選んだのか、未だに理解できない。

それに、さらっと言うところが罪深すぎる。


「あ、そうそう。昨日の電話発信元調べてみたんだけど多分だけど、BLACK SKYの誰かがかけてきてるよ」

『…え、でもそれじゃ何で私の番号知って…』

「そこまでは分からないけど、とにかくあの電話には絶対出ないで。何かあったらすぐに言うこと。いい?」

『うん、分かった』



私の電話番号知ってる人なんてごく僅かだしBLACK SKYの人に知り合いなんていないし、…どうして知られてるんだろう。

確か私、狙われてるんだっけ…?

何故か少しだけ、嫌な予感がした。



──コンコン



「叶兎、起きてるー?」


ノックと共に春流くんの声。
寝起きの頭に一瞬、さらに混乱が重なる。


「起きてるけど、なに?」

「学校長が、文化祭当日の警備の件でお呼びだよ。今すぐ来てって」


そして春流くんはナチュラルにドアを開けて普通に部屋に入ってきた。