「胡桃、俺のことだけ考えて」
耳元に手を添えて、外の音を遮るようにしてそのまま唇を重ねる。
『んっ…!?』
驚いた声と共に、かすかに吐息が漏れた。
触れた唇が熱くて、慣れないながらも頑張って応えようとしてくれるのが可愛くて、ついつい息をする暇を忘れる程に唇を重ねてしまう。
『はぁっ…っ』
荒い呼吸が耳にかかって、理性がきしむ。
さっきの胡桃の発言の時から危なかったけど、油断してると抑えられなくなりそう。
胡桃に触れたいとは思うし、
男子高校生なので…そういうことだって考えないわけじゃない。
けど、別にそれ目当てで付き合ったわけじゃないし、事を急いで胡桃を怖がらせたくない。
そばにいてくれればそれでいい。
好きだから、大事にしたい。
女嫌いだった俺がこんな感情を持つ日が来るなんて、想像もしてなかった。
好き
胡桃が好き
だから…絶対に、守る
俺は、自分が思ってるよりも何倍も、胡桃に惚れていた。

