「胡桃?そんなところで何してるんだ?」
『あ、桐葉くん』
睨まれて固まっていた私の耳に、救いのように聞こえた落ち着いた声。
振り返ると、別の階段から桐葉くんがゆっくりと降りて来た。
「桐葉……。凪?」
その呼びかけに反応するように男の子はフードを外す。
月光みたいに透き通った銀髪と、氷のような青い瞳が露わになった。
桐葉くんは一瞬固まって、目を見開いた。
普段あまり表情を見せない桐葉くんが珍しく言葉を失っている。
「……秋斗、?!久しぶりだな、元気そうで良かった」
「…あぁ。……それより凪、早速で悪いが伝えたい情報が山ほどある、この後WhiteLilly全員で集まれるか?」
「分かった、連絡しておく」
桐葉くんは素早く携帯を取り出し、慣れた指つきでメッセージを打ち始めた。
今、秋斗って呼ばれたこの男の子、
WhiteLillyって言ってたよね、桐葉くんとも知り合いっぽいし。
「……それと、生徒会、新メンバー募集でもしたのか?しかも女」
視線がするりと私に移った。
「この子は朝宮胡桃、今人手不足だったから手伝ってもらってるだけだ」
「朝宮胡桃…!」
なんかまた私の名前知られてる?
…さっきの会話からもしてこの人もしかして

