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コツ、コツ…と重い足音が響いた



薄暗い細い道を黙って歩く1人の男は

エレベーターに乗り込んで、地下へ降りていく



「只今戻りました」



鉄の扉の前でノックを3回



「入れ」



すると扉の向こう側から返事があった。


その男は部屋に入り、声の主である男の前に跪く



「…彼女は、探している子で間違いないはずです」

「“確実”に、か?」

「はい。(さく)様から頂いた情報と全て合致しました。」

「作戦の方は?」

「既に準備は進んでいます。…あちらも大きな計画を立てているようなので、実行するなら今年中が目処かと」

「分かった。…あと1週間で完成させろ」

「………はい」



男が部屋から出て行った後、朔と呼ばれた男は椅子から立ち上がり、1枚の写真をポケットから取り出した

だいぶ色褪せている古い写真。




「ふふ……………もうすぐだね…、もうすぐ手に入る…君は僕のモノなんだから」




この男が着る黒い特攻服、

右腕には、水色の刺繍がされていた