しかも、生徒会室まで並んでいる。
疑問が浮かんで消えず、思考が渦を巻く。
なんで寮に生徒会室があるのかとか、なんで扉が1つなのかとか
疑問は考えれば考えるほど出てくるけど…
“生徒会室には近づくな”って今朝赤羽くんに言われたばっかりだ。
近づくなも何も、私の部屋、ここだよね…?
桐葉くんにも忠告を受けたけど…
『……いや、しょうがないよね!部屋ここにしかないし…!』
思い切ってカードキーを差し込むと、カチャリと音を立ててロックが外れた。
やっぱりここが私の部屋のようだ。
『失礼しまーす…』
そっと扉を開けて足を踏み入れ、静かに閉める。
そこはまるでホテルのロビーのような広間だった。
黒い大きなソファーが四つ、低めのテーブルを囲むように並び、天井には眩いシャンデリア。
足元の赤いカーペットは廊下から続いており、奥には部屋番号の書いてある六つの扉が整然と並んでいる。
キッチンやお風呂なんかも備えられていて、見渡せば見渡すほどこの部屋の広さに圧倒されてしまう。
『…寮ってみんなこんな感じなの…??』
驚きを通り越し、無駄な心配まで頭をよぎる。
──もし全室こんな仕様なら学園の運営費どうなってるのなんてどうでも良い疑問まで生まれる
「あれ?胡桃ちゃん、なんでここにいるの?」
『…春流くん?!』
誰もいないと思っていた空間に不意に背後から声がして。
慌てて振り返るとそこには春流くんが立っていた。

