「あははっ、胡桃ちゃんすご!叶兎に反論する女子なんて初めて見たよ」
隣では春流くんがそう言いながら笑った。
何かツボに入ったのか、「あーお腹痛い!」と爆笑している。
”反論する女子なんて初めて見た”って言ってるけど、
赤羽くんっていったい何者…。
王様みたいな感じですか?絶対王政?
「っていうか叶兎と胡桃ちゃんって知り合い?」
「今朝、俺がベンチで楽しく昼寝してたらいきなり絡んできた。」
言い方かなり誇張されてますけど
別に絡みたくて絡んでない!
私はただ心配しただけなのに。
それに、あれのどこが“楽しく昼寝”に見えるんですか。
『いや、昼寝って…どう見ても体調不良だったよね??』
「は?どこが?」
あの時の赤羽くん、顔色良くなかったし誰が見ても体調不良って思うと思うんだけど…
「まぁまぁ、叶兎って終始こんな感じだから何か言われてもあんまり気にしない方が良いよ」
『う、うん…?』
春流くんが宥めるように言葉を挟むと、
赤羽くんは窓の方へ顔を向けため息をついた。
ホント感じ悪いなこの人。
顔は綺麗なのに。
認めたくないけど、顔は綺麗。性格が最悪。
「叶兎、女子嫌いだもんねー」
「余計なこと言うな」
そんな会話をしている間にHR開始のチャイムが鳴って、なんだかモヤモヤしたまま、私の白星学園での生活は幕を開けた。

