『でもさ、お前らは違っただろ?俺の事、……怖がらずに話しかけてくれた。それが、嬉しかったんだ。お前らといると俺が俺といて受け入れられているような気がして、ずっとここにいたいって思えた』
『な、なんだよ……。照れるじゃねぇか』
來翔がらしくもなくもじもじとしている。
滉大は開いた口が塞がらないといった風に口をあんぐりと開けたまま何にも話さない。
『まだ、あるんだ。こうやってお前らと暴走族を作れたことも、こうやって三人でバイクを走らせることが出来るのも、全部、お前らがいたからだ』
『だから、その……お前らがいてくれて、よかった』
その時、俺の気持ちを全部さらけ出すことが出来た気がした。
『裕翔。お前、何か勘違いしてるだろ…』
もしお前らが俺の肩書き目的だけに近づいてきたんだとしても、俺はそんなお前らでも大事だと、胸を張って言える。だって初めて、本当の俺を見つけ出してくれた気がしたから。
滉大の表情が暗闇のせいであまり見えなかった。
『ヤクザの息子だからとかで話しかけねぇとか昔のヤツらどうかしてんな?そりゃ少し怖いだろうけどよ、…。お前がいいやつって事だけは最初から分かってたぜ?』
滉大がニヤリと笑う。でもその顔があまりにも優しくて、裕翔は息を飲んだ。