裕翔さんが出してくれたのはオシャレなマカロンや沢山のチョコレート。
なんだかどれも高級そうで思わず遠慮してしまうけれど、食べてみたいという気持ちの方が勝ってしまった。
「チョコレートが食べたいです……」
私はオドオドと箱に入ったチョコを指さす。裕翔さんは優しく笑って、自分の口にそれを入れた。
え、……私が食べていいんじゃなかったの?
そう思っている間になぜか裕翔さんの綺麗な顔が近づいてきた。
「んっ……!」
私、今き、ききキスされてる!?
そして次の瞬間には、裕翔さんの唇が私の唇を塞いでいた。
そして、ぬるっとしたものが口の中に入ってきたかと思うとチョコレートの甘い香りが口の中で広がった。
いきなりの甘すぎるキスと、チョコレートの甘さのせいで、私の脳内は限界を迎えてしまう。
「んんっ……、も、無理……」
「ふふっ、……ごちそーさま」
そう言って裕翔さんの唇が離れていった。裕翔さんは自分の濡れた唇を綺麗な手で拭って笑った。
その姿が色っぽくてキュンとした。
ってかダメだよ私っ……!!
突然キスしてきた相手にキュンとするなんて!
「な、なんで………」
恥ずかしさのせいで声が震える。私をこんなふうにまでさせた当の本人はいたずらっ子のように笑っていた。
「だって桜十葉とキスしたかったんだもん」