その言葉に、俺の全身が固まる。

それと同時に、心臓が今まで以上に早鐘を打っている。

気づけば桜十葉も、俺と一緒に泣いていた。

泣きながら俺のことが好きだと伝えてくれた君は、俺の瞳にどんな風に映っているのだろう。

俺だけじゃ、なかったんだ。自分の気持ちを伝えるのが、こんなにも怖いということを知っているのは、俺だけじゃなかった。


「桜十葉が俺を、……好き?」


信じられなくて、桜十葉にゆっくりと尋ねた。


「うんっ……。裕翔くんの事が好き、大好き」


真っ赤な、顔をしてそう伝える桜十葉。

そんなに可愛い顔、しないでよ……。

俺は耐えられなくなって桜十葉の唇を強引に塞ぐ。

何度も何度も深いキスをする。


「んっ、……んぁ……、んんっ」


桜十葉の甘い声に、俺はまた理性がくすぐられる。さっきも唇がヒリヒリするまでキスしたというのに、まだ足りない。

桜十葉の事が愛おしくてしょうがない。

桜十葉の事を誰よりも大切にしたい。幸せにしたい。

でも、それは俺じゃない他のやつの事なのだろう。


「桜十葉、俺も……好き」


深いキスの合間に、桜十葉に好きだと伝える。

桜十葉はその言葉にびっくりしたように、俺の胸を叩いた。


「なんだよ、……もっとしたかったのに」

「ひ、裕翔くん……今、すすす好きって……」