明梨ちゃんの言葉に、裕翔くんは目を丸くした。

な、何言ってるの明梨ちゃん…!?

私は二人のことをきょろきょろと見つめる。


「はは、君、俺の兄貴と同じこと言うね。でもそんなことには絶対にさせないから君の出番はないかな」


王子様スマイルで裕翔くんはにこっと笑った。明梨ちゃんは裕翔くんのことをじっ…と見つめてからにこっと微笑み返した。


「はい。必ずそうしてください」


私を挟んで行われた会話は、私以外のみんなには聞こえなかった。

みんながお昼ごはんを食べ終わり、少し休憩していた時。今はルイスさんと稀代さんはこの場にいなくて2人で射的ゲームに行っていた。

よし…!

今があのことを話すチャンスだ…!

明梨ちゃんと朱鳥ちゃんと裕翔くん、そして私だけが居るこの場。今までいつ話そうかと悩んでいたが今が一番いいかもしれない。

裕翔くんの本当の正体を二人に告げる。私はもう、大切な親友たちにこれ以上嘘を付き続けたくはないんだ。


「明梨ちゃん。朱鳥ちゃん。ちょっと話があるんだけど、……」

「何々〜?裕翔さんとのラブラブ話とか教えてくれるのー?」


朱鳥ちゃんが楽しそうな声でそう言った。明梨ちゃんはオロオロとした口調でそう言った私を不思議そうに見つめている。

大丈夫だよ、桜十葉。この二人なら、大丈夫。