大人ってズルい

ダイアナは、魔女や魔法使いが通うエルピス学園の校長であること、自身の養子としてイザベラを引き取ること、魔力のコントロールができるように特訓しましょう、ということを優しく話し、魔法をイザベラにかけて冷えた体を温めてくれた。

「あったかい……」

自分がコントロールすることができない暴力的ではない優しい魔法に、イザベラの強張った表情が少しほぐれる。ダイアナは優しく微笑み、同い年の子よりも小さなイザベラを抱き締めた。それは、イザベラが初めて触れる人の温もりである。

その日のうちにイザベラは孤児院から引き取られ、名前もイザベラ・ヴァレンタインに変わった。魔力が暴走しないようダイアナの魔法が込められたブレスレットを渡され、イザベラは十二歳になるとエルピス学園に入学したのだ。

だが、人の数倍も魔力を持ったイザベラの存在はよく思わない人の方が多かった。そのため、彼女は入学当初からいじめられるようになり、全寮制の学校にも関わらず、生徒と同じ寮ではなく教師陣が寝泊まりをする塔で寝ている。