黒い龍は小さな華を溺愛する。


「納得、しなくていい」

ワガママな女だと、いっそ嫌いになってくれた方がいい。


「わかった。こんな半端な気持ちの女と付き合って、夕晴も失敗だったね」


何も言えず下を向く。


「でも、私が幸せにするから安心してよ」


その瑠亜の言葉に紫藤くんが目を見開いた。


「瑠亜、勘違いすんなよ?夕晴が受け入れるか、まだわかんねぇんだからな」


「こっちがこんなに別れるって言ってんだから、受け入れるしかないでしょ?そして私を選ぶかどうかはあんたじゃなくて夕晴が決めること」


私は顔を上げ、震える声で言った。


「……ありがとう」


瑠亜はそれに対して何も答えず、背を向けた。


「別れたあとは私が慰めとくから」


そう言って振り返らずに歩いて行った。


私は本当に取り返しのつかない事をしようとしている。


姿が見えなくなった途端、足の力が抜け、その場にしゃがんだ。