黒い龍は小さな華を溺愛する。


その言葉に、紫藤くんが強く首を振った。


「違う違う!それはっ……」


「紫藤くん、お願い」


遮ってしまってごめん。

でも今は止めないでほしい。

止められたら……泣いてしまいそうで。


「だから……私と別れたあと、常盤くんの側にいてほしい」


常盤くんのことを本気で想い、寄り添ってくれるのはこの人以外にいないと思った。

私だって……負けないくらい、

いや、それ以上に常盤くんを想ってるけど……

今の私じゃ常盤くんを幸せにできない。

もう傷つけたくないんだよ。


瑠亜の目が細くなった。


「……勝手だね、それはあんたのエゴでしょ」


「わかってる……でも、あの人を一人にしたくない」


「嫌で別れるくせに、その後のことまで考えてるんだ?」


嫌じゃない……

別れたくない。

ぐっと泣きそうなのを堪えていると、紫藤くんが耐え切れず口を挟む。


「沙羅ちゃん、本当にそれでいいの?夕晴は納得しないと思うけど」