黒い龍は小さな華を溺愛する。


私の顔を見て、紫藤くんが「強くなったなぁ」と呟いた。

昼休みが終わるチャイムが鳴り、教室へ戻ると常盤くんはさっきと同じ体勢のまま机に伏せて寝ている。

窓からの日差しが常盤くんの頭に当たり、キラキラしていて綺麗だった。

こんな風に、側でずっと見ていたかった。



――放課後

紫藤くんに連れられて向かったのは駅から少し離れた小さな公園だった。

ベンチが二つと、錆びた滑り台があるだけの、人気のない場所。

こんなところで話す内容じゃないけど、ここなら誰にも聞かれない。


「帰り夕晴に怪しまれなかったの?」

「うん、先生に用事あるからって言って先に帰ってもらったんだ……」


その時も素直に〝わかった〟って言ってたけど、元気なさげで。

そんな顔にさせたのは私なのに、心が痛くなった。


「瑠亜、もう来てんじゃん」


紫藤くんが指さした先には、ベンチに座ってスマホを見てる女子高生の姿があった。