黒い龍は小さな華を溺愛する。


「キスマーク!」

咄嗟に両手で首を隠した。

髪を下ろしてたから見えないと思ってたのに……。

あの日常盤くんに付けられた沢山のキスマーク。

首筋から胸元まで沢山あって、家に帰って鏡を見た時は驚いた。


「……これは」

「はぁー。夕晴もそういうことするんだぁ」


呆れたように笑っている。


「見なかったことに……」

「独占欲強すぎでしょ。まぁこんなに可愛いんじゃ、気持ちわかるけどさ」

「あの……紫藤くん。瑠亜さんって知ってる?」

「瑠亜?俺らと中学一緒だった?」


常盤くんと中学の時から一緒の紫藤くんなら、瑠亜のこともきっと知ってるはず。

常盤くんに別れを伝える前に、瑠亜に伝えておきたいことがあった。


「なんで沙羅ちゃんが瑠亜のこと知ってるの?」

「この前水族館で会って……少し話したんだ」


すると深刻そうな表情で私を見つめた。

「それ、夕晴知ってんの?」

「ううん、知らないから内緒にしてて!」