黒い龍は小さな華を溺愛する。


ラーメンを食べ終え、食器を下げに行ってくれた常盤くん。

結局半分くらいしか食べられなくて、残り全部常盤くんが食べてくれた。

「篠原さん、ごちそうさまでした!」

「いやいや、沙羅ちゃんならいつでも歓迎するからまたおいで」

「……ありがとうございます」

心の底から、そう思う。

最初からずっと変わらず優しくしてくれた篠原さん。

本当の親だったらなって、何度思ったことか。


「上行く?」

「うん」

二階へ続く階段を上るのは久しぶりだった。

きしむ音、少し狭い踊り場、変わらないはずなのに全部が懐かしい。

常盤くんの部屋は4.5畳くらいしかなく、家具があまりない。

ベッドとテレビと小さいテーブルがあるくらい。

ドアを開けるとすぐに電気がついた。

「寒くね?」

エアコンとテレビを付け、私を部屋の中へ入れるとドアを閉めてくれた。

常盤くんってすごく紳士的なことを、スマートにできるのがすごい。

そういうところにいちいちときめいてしまう。