黒い龍は小さな華を溺愛する。


「あ……秋元?」

そこにいたのは、秋元だった。


「久しぶりだな、あの日……以来か」


常盤くんと鳳凰の帰りに出くわした暴走族の総長、秋元が黒幕だった。

あの時と変わらない、冷たい笑い方。

何を考えているかわからない目をしている。

「どうして……」

「どうしてって。わかんだろ?俺は常盤夕晴が世界一、嫌いなんだよ!一回殺すくらいじゃ物足りないくらいな!」

楽しそうに笑い、他の仲間たちも笑い出す。

〝殺す〟

そのフレーズに全身が凍る。


「いやぁ……しかし。常盤に磨かれたねぇ?あんときはダセェやつ連れてんなって思ってたけど。やっぱり原石だったわけか」

そう言って私に近づいてくる。

私はゆっくりと床に膝をついた。

「……お願いです」

そして頭を深く下げる。

「常盤くんと、その周りの人たちには絶対に手を出さないでください」

部屋が静まりかえる。

秋元は一瞬黙ったが、鼻で笑った。