黒い龍は小さな華を溺愛する。


そう言って自分の部屋に入り、バンッと強くドアを閉めた。

それと同時に足の力が抜けて、その場に座り込む。

心臓の音だけがうるさい。

――誰にも言わないって決めたのに。

こうやって周りの人たちを巻き込んでしまったら……。

鳳凰にだってしばらく行かない方がいいのかもしれない。

篠原さんや律くんにだって、いつ危害が加わるか。

震えた手をぎゅっと握りしめた。

誰も傷つけさせない。

そのためなら、私が犠牲になってもいい。

もう十分、幸せはもらえた。

最近の私は罰が当たるんじゃないかってくらい幸せで。

常盤くんと出会ってから、毎日が輝いてた。

色んな人に出会えて、優しさをもらえて……楽しくて。

だからもう十分。

今度は私が恩返しする番だから。


それが、私の選んだ答えだった。