黒い龍は小さな華を溺愛する。


「何かあったら……俺がいる。だから何も考えるな」

あの事を知っているかのように、そんなことを言ってくれる。

この人は私が言ったらきっと動く。

自分の事より、私を優先して。

「どうしたの?そんな深刻そうな顔して。大丈夫だよ」

精一杯笑った。

「ほんとさ、前の沙羅はどこいったんだろーな」

常盤くんも笑って私の顔を両手で包み込む。

温かくて離れたくないな……。

このまま何もなかったように過ごせたらいいのに。

常盤くんは、私が玄関の中に入るまでしっかり見届けてくれた。

あんな写真送られてきて、普通ではないもんね……。

何か気付いたかもしれないけど。

常盤くんの身に何も起きませんように……。

中へ入ると、母が慌てて玄関にやってきた。

「沙羅!聞いてよ!」

「お母さん、今日仕事休みだっけっ」

「違うの!さっき仕事中ね、変な客が……『あなたの娘、可愛いですよね』ってさぁ!」

「えっ……」