黒い龍は小さな華を溺愛する。


「そのリーダーって、誰なんですか!?」

すると男は含み笑いをしながら私に近づいてきた。

「会えばわかるんじゃねえ?でも……以前とは威力が別もんだから。覚悟しといたほうがいいよ?」

「え……」

そして私の耳元でこう呟く。

「下手したらあんたの大事な彼氏、死ぬかもな」

ドクドク……と心臓が大きく鳴り響いた。

「時間はやるからー。よぉく考えな?」

男は勝ち誇ったような顔で去って行った。

街灯の下に、一人取り残される。

膝もガクガクして、前に進めない。

どうしよう……。

スマホを見ると常盤くんからメッセージが届いていた。

〝今家?〟

短い文。それだけで涙が滲んだ。

鳳凰にいたことを知らない常盤くん。

私が今日鳳凰に行かなければ……こんなことにならなかったのかな。

〝うん、家だよ〟

嘘……ついちゃった。

これ以上心配かけたくないから。