黒い龍は小さな華を溺愛する。


一瞬の沈黙。

「……なんか強くなりすぎ」

ぽつりと常盤くんがつぶやいた言葉に、胸が少しだけざわついた。

「夕晴ってそんな束縛するんだー」

律くんが悪気なく言う。

「は!?」

「だって今の、完全にそれじゃん」

「マジでムカつくガキだな」

そう言って律くんの頭を両手でつかむ。

「待って!ギブギブ!」

二人がじゃれ合ってるのを見てホッとした。

……常盤くんが心配してくれるのはありがたいけど、本当にもう大丈夫なんだけどな。

こんな風に思えるようになったのも、常盤くんのおかげなのに。

強くなりすぎちゃダメなの……かな。

ふと、常盤くんがポケットの中から何かを取り出す。

「そういえば、これ」

差し出されたのは、水族館のチケット。


「前に行ってみたいって言ってたろ?もらったから」

「えっ……ほんとに!?」

「今度の休み空けとけよ」

一気に熱くなる頬。