黒い龍は小さな華を溺愛する。

「あ、夕晴おかえり。今沙羅に勉強教えてもらってた」

「勉強?沙羅が教えられんの?」

からかうような口調なのに、どこか目が真剣で。

「ちゃんと教えてもらってるし。沙羅は意外と教え方うまいよ?」

律くんが面白そうに口を挟む。

「へぇ、沙羅って呼んでんの?お前らいつの間にかすげー仲良くなってんじゃん」

「まぁねー」

なぜかピリついてる常盤くんを感じて、ハラハラしてしまう。

私の方を見る視線が少しだけ鋭いし。

……この前の夜のことが頭をよぎる。

だめだ、顔をまともに見れない。


「そういや」

常盤くんがふっと真顔になった。

「だいぶ俺の手の怪我よくなったし、バイトやめたら?」

「え、早くない?」


手の怪我……といってたけどそこまで酷そうではなかったのは確か。


「あぶねーから。色んな客いるし、この前だって絡まれてたじゃん」

「大丈夫だよ、最近はちゃんとかわせるようになったし楽しいし。篠原さんにも喜んでもらえて……」