黒い龍は小さな華を溺愛する。


「私……常盤くんの手を見たときね?最初はすごくこわかった。喧嘩ばっかりしてるからこんなに傷だらけなんだって思って」


そう言いながら常盤くんの手を取る。


今もアザがあったり、痛々しい傷跡がいくつかある。


「でも一生懸命生きてきた、自分と戦ってきた証でもあったんだね」


そう思ったら傷跡も愛しく思えてきて。



心も強いひと、なんだなぁ。



でも、常盤くんのお母さんを守るためにも強くならざるを得なかったのかも。


誰にも甘えることができなかったから……。



「んなこと言ってくれたの沙羅が初めてだわ」


私の肩に手を回し、自分の方へ抱き寄せた。



ふわっと常盤くんの香りが漂い、ドキドキしてる私は硬直してしまった。



「ふっ。いい加減慣れたら?」



「こんなの慣れないよっ」



「じゃあ慣らしていかねーとな」



肩に置かれていた手が私の首から顎のラインをなぞる様に這ってきて、思わずビクッとなる。


お酒のせいかなんだかいつもより大胆な気が……。


「あのっ……」


離れようとしたのに常盤くんにしっかり掴まれて動けない。


「逃げようとしたって無駄だから。俺の力に勝てると思ってんの?」