学食に向かう中庭で、彼女の姿を見かける。

一緒にいるのは?

あの茶髪、松島だ。
何でいつも一緒にいるんだ?
付き纏われてるのか?

心が騒つく。

こんなにも他人に心が動くのは始めてで、
自分でも持て余すぐらいだ。

アイツから彼女を離したい衝動に駆られる。

だけど、自分はただの教師で彼女は生徒だ。
壊せない壁を感じる。

はぁーー。

彼女に会ってから心が掻き乱されてばかりだ。

「要くん。何か心配事?

ため息なんて珍しいねー。僕でよければ相談に乗るよ?」

「いえ。特には、
ちょっと寝不足なだけですよ。」
コイツに悟られたら最後だ。
気を付けなければ…。

「ふーん。まぁ。いいけど。」