北原先生の、要さんの授業の最後に配られた小テストに身に覚えのある付箋が貼っているのに気付く。

えっ⁉︎と思って慌てて隠し、要さんの顔をチラッと見る。
視線は合わないけれど、口角が上がっているを確認してバタバタと紗奈は教室を出る。



昼休み、紗奈は北原研究室に急ぐ。

トントントン。

「はい。待ってました。」
ガチャっとドアが空いて、腕を引っ張られ室内に倒れ込む。

キャッと言って倒れ込む紗奈を受け止めて要は抱きしめる。

「ど、どうしたんですか?要さん…。」

「お手伝い券、まだいっぱいあるからたまには使ってみようと思って。」
笑いながら要は言う。

「わざわざ使わなくてもメールくれればいいのに。」
困り顔で紗奈は言う。