次の日から前島さんに送迎してもらい、出来るだけ1人にならないように紗奈は心掛けた。

そして、今日は要が出張から帰って来る日。

今夜は要さんが好きなハンバーグにしようかな?
紗奈は浮かれ気分で朝を迎える。
3日間は短い様で2人にはとても長く感じられた。寂しさも心細さも電話では拭い切れず、やっぱり早く会いたいと思う。
出来ればずっと一緒にいたい。

放課後ゼミでパースを描く。
酒井先輩と石原君はPCで図面を作成中だ。

集中してパースを描いていると館内放送が流れる。

『三年建築学科の中山紗奈さん。北原助教授がお呼びです。至急、研究室までお越し下さい。』

えっ⁉︎
要さん帰って来たんだ。まだ5時前だけどスケジュールが早まったのかな?

「紗奈ちゃん、北原先生が館内放送で呼び出しって滅多にないよ。何かしちゃった⁉︎
急いで行っておいでよ。今日はこれで終わりにしよう。」

「はい、すいません。じゃあ。お先に失礼します。」
紗奈は急いで帰り支度をして、要が待つ研究室に向かう。