楽しい夕食はあっという間に時間が過ぎて、
真田さんからのケーキの差し入れもそれぞれ2人で半分にして倍楽しんだ。


2人で高層マンションに車で帰りながら紗奈は思う。

明日も学校がある。
模型も分担された所は今週までに1人で頑張らなくてはならなし、このまま、ナイトワークを続けていたら本当にいつか自分が潰れてしまっていたかもしれないと。

お金の事を気にせず、やりたい事に精一杯頑張れるのは北原先生のおかげだと感謝してもし足りない。

「明日から私、先生の為にいっぱい美味しい物作ります。
お掃除もお洗濯も全部引き受けます。何でもお手伝いしますので、何なりと言って下さい。」

突然、紗奈が言い出して要は若干驚きながら
も笑う。
「そんなに頑張らなくてもいいよ。

紗奈の負担にならない程度でやってくれればいい。
手が回らない時はハウスキーパーだって常駐してるし頼めばいいよ。」

「私は先生に与えられてばっかりで、何も返せません。せめて家事は先生の為に頑張りたいんです。」

要は少し考えて、
「じゃあ。俺の為にとりあえず家では先生禁止、ちゃんと名前で呼んで。」
それが、一番ハードルが高いと紗奈は思う。

「…分かりました。」