「わ~、すご~い」
液晶パネルがたくさんあるし、ハンドルまで付いてる。
まるで、高級車みたいな内装だ。
窓も大きくて、外観が遠くまで見渡せる。
室内も広い、まるで高級ラウンジのようだ。
「どうだ、すごいだろう」
驚く私のリアクションが嬉しかったのか、専務は鼻を高くして威張ってる。
大型クルーザーを所有してる人は私の周りにいないし、誘われなかったら乗ろうとも思わない。
このまま港に停泊してるんだったらいいけど、まちがいなく出航するんだろうな……
「奈々ちゃん、これ見て!」
サトちゃんが運転席の後ろを指さしてる。
でも、そこには扉のついた棚のような物しかない。
「じつは、こうなってます!」
「えっ、うそっ!」



