まって、行かないで、私を一人にしないで!


 必死に後を追いかけると、岩場に辿り着いた。

 激しく打ち付ける波と海水の飛沫。

 危険な岩場で足下が滑るのに、涼しい顔をして釣りを始めてる。


 私は遠くから見てるだけ。

 父とハルくんは、たくさん魚を釣り上げてる。

 なんだか楽しそう……


 父が場所を移動すると言って、釣り竿を置いてった。

 買ったばかりの新しいい竿を手に、他の岩場へ行ってしまう。


 私はハルくんと肩を並べ、岩場で釣りを始めた。

 周囲に父の姿は無い……


 たくさん魚が釣れて、私は夢中になっていた。

 滑って危ないから、打ち付ける波のそばに行かないでとハルくんが忠告してくる。

 私は、その言葉を聞き入れず前に出る。



 その時、海水で濡れた岩場に足を滑らせてしまった……