あの後一年間、俺と善と日葵、三人の生活を楽しんだ。



ちゃんとしたプロポーズの日には、キラキラと輝く石の埋め込まれた指輪を渡した。

善に、こっそり指のサイズを測って来て欲しいとヒモを渡して、そのサイズで指輪をつくってカッコつけて日葵の指にはめようとした。

……まぁ、サイズが一回り大きくてぶかっとしてしまったのだけれど。



指のサイズを測るのって難しい。

ロマンだって言っても日葵には伝わらなくて、それが日葵らしいと幸せを感じた。








「神の導きによって夫婦になろうとしています。汝《なんじ》健やかなるときも、病めるときも──」



4月、日葵が善を引き取ったその日。

そして日葵が善を里親へと送り出したその日。

日葵は、俺と同じく『朝霧《あさぎり》日葵《ひまり》』となった。



新郎 朝霧宵
新婦 朝霧日葵



アンドロイドが苗字を継ぐことは珍しく、記者も駆け付けたくらいだ。



「これを愛し、敬い、慰め遣え、共に助け合い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」