そして……起きたら原稿丸々一枚がダメになってましたって説明することになるから……。

うぅ……伝える時のことを思うと、胸が痛くなってくる。



ごめんなさい、私がここに来た時には既にやらかしていました、金髪の人……。



思う存分寝てから、起きた時に静かに穏やかに、現実と向き合って頂きたい。うん。

寛大な心でいて。

私は両手を絡ませて、座っている椅子を彼の眠っているであろう部屋へとくるくるっと体を向けて、お祈りポーズを捧げた。



どうか、穏やかに、安らかに……。






「死んでねーんだわ」



突如開かれたそのドアの向こう側から、祈りを捧げていた対象が堂々と登場した。

それを目をまん丸にして二度見をしていく私は、祈りを捧げる琥珀ちゃん。



その扉の奥から姿を表したのは、今日倒れていたばかりのその当人、ガチヤンキー・いおりさんである。

さっき私が安らかにと願っていた、その当人である!!



私は目をまん丸く限界まで開いて驚かずにはいられなかった。

だって三徹だよ!!?

そんなすぐに起きられなくない!?



「まだ起きちゃダメじゃないですか!!?」



いくらなんでも復活が早過ぎないか!!?